こんにちは。VIKING the MAINTENANCE(バイキング・ザ・メンテナンス)は西新宿を拠点に展開するスポーツバイクのメンテナンス、修理、カスタマイズ専門店です。
今回は、先日お預かりしたイギリスの折り畳み自転車ブランド、ブロンプトンのT-TYPEの作業内容を振り返ります。T-TYPEは現行のブロンプトンのランナップにはありませんが、おそらく15年は経っているだろうUKメイドのフレームです。
以前ブロンプトンはリーズナブルな台湾製モデルも生産していました。それと同時期のモデルだと思いますが、こちらは列記としたMade in England です。
今回はこのブロンプトンを復活させるため、オーバーホールを行いました。
目次
各パーツを分解へ
まずは各パーツの状態をチェックしながら分解をはじめていきます。
チェーン、スプロケット部分。
BB部分。
トップチューブ部分。折りたたむ上で重要なポイントです。
クランク、チェーンリング部分。ギアの歯は古いオイルと汚れで黒くなっています。
ホイール部分、今回スポークも2本折れていたので交換です。長年のほこりが溜まってしまっています。
リアホイールは内装3段ハブです。車輪の軸であるハブの中にギアの歯車があり、変速をするシステムです。もちろんハブの中を分解し、新たなオイルとグリスを塗りなおします。
内装ギアを動かすシフトケーブルとブレーキケーブル共に交換です。ケーブルが裂けて内部が錆びてしまっています。
ブロンプトンのT-TYPEはリアキャリアに車輪が回転することで発電するダイナモライトが搭載されたモデル。時間が経つと配線の接触不良も出てくるため、今回は配線を新しいものに交換することに。
これらの汚れ、劣化部分を重点的にチェックし、分解するとこうなります。
ブロンプトンは他の自転車と違い作業スタンドを使う際は逆さに固定すると作業がしやすいんです。フレーム単体になるとマウンテンバイクのようにも見えてきますね。
その後、ハンドル、ステム、前輪を支えるフロントフォークとヘッドパーツも外していきます。画像はヘッドパーツのベアリングです。ハンドリングを軽やかにするために、このベアリングにも新しいグリスを塗り込みます。
分解したパーツを洗浄へ
分解、洗浄した後のフロントフォークです。ヘッドパーツのグリスも古くなって固着していたので新たなグリスを塗りなおします。
内装ハブのベアリング、細かいスモールパーツの構成です。一般的なスポーツバイクに採用される外装ハブ(外側にギア本体があるタイプ)と違いかなりがっちりとした作りです。
内装ハブは一見頑丈そうに見えますが、ハブ内部に泥や雨水が入ると急に動きが悪くなったり、異音が出てきたりします。そのためグリスをしっかり塗ることが重要で、防水、防塵に強い堅めのグリスを内部全体に塗り込みます。
洗浄し、新しいグリスを塗り込んだした内装ハブを再度組付けます。当初よりもだいぶきれいになっています。このタイミングで折れた部分のスポークを交換し、車輪が真っ直ぐ回転するように振れ取り作業を行います。
アルミ製のリムも多少の小傷は残りますが、光沢が復活しました。
フェンダー(泥除け)の裏も幸い大きな傷もなくここまできれいに。
全てのパーツの洗浄が終了し組付け後、最後に純正ケーブル、チェーン、ブレーキシューなどの消耗品を新品に交換し取り付けます。
完成
約15年間、大きなメンテナンスをしていなかったブロンプトンでもここまできれいに復活しました。やはりフレームとホイールがしっかりした自転車は半永久的に乗れるといっても過言ではありませんね。
フォールディングバイクのデメリット部分として折り畳み部の強度不足、経年劣化があるのと、その部分が破損してしまうともう乗れないなんてこともあるのですが、ブロンプトンはクロモリフレームを採用していることと、折り畳み部の強度、溶接がしっかりなされていることでその心配がありません。イギリスで1台1台しっかり組まれているというのも安心化につながっています!
最後に
今回の作業は当社のオーバーホールプランであるCメンテナンスで作業させて頂きました。長年メンテナンスしてこなかったケースや、久しぶりに自転車引っ張り出そうとお考えの方、または毎日の通勤や定期的にレースに参戦している方など自転車をフル稼働させている方にもCメンテナンスはおすすめです。工賃30,000円~、別途パーツ代で作業させて頂いております。納期はお見積り確定後、3~4日です。
VIKING the MAINTENANCE ではブロンプトンの完成車の販売はしておりませんが、純正パーツ、カスタムパーツ等のお取り扱いはしておりますので、オーバーホールをはじめ、カスタマイズ等の相談は遠慮なくお申し付けください。パーツお持ち込みも歓迎です。逆に面白いパーツがあれば教えてほしいくらいです。
それでは。