こんにちは。VIKING the MAINTENANCE(バイキング・ザ・メンテナンス)は西新宿を拠点に展開するスポーツバイクのメンテナンス、修理、カスタマイズ専門店です。
ロードバイクを快適に乗る上で重要な点の一つに「良いサドルに巡り合えているか?」ではないでしょうか。購入したサドルがたまたまお尻にとの相性が良く、快適にライドができているユーザーさんもいれば、なかなか自分に合ったサドルが見つからず、長年悩んでいるユーザーさんもいると思います。
自分に合ったサドルが見つかる明確な答えがあれば、悩むことは皆無なのですが、人間の体というのはそんな単純な構造ではないんですね。インターナットや雑誌などを通じて自分に合ったサドル選びの情報は様々出ていますが、最終的には実際に座って試してみないとわからないのが現実です。
もちろん私も同じ考えなのですが、今回は現代的にアプリを使用することで、自分に合ったサドルを提案してくれるフィジークの「スパインコンセプトEVO」の紹介をしたいと思います。
目次
体の柔軟性から導きだすサドル選び
スパインコンセプトとは背骨の柔軟性から骨盤の回転自由度を判断し、最適なサドルを提供するシステムです。フィジークが独自に研究を重ね、今から約10年前、2008年に提案したのが始まりです。
2013年にはハンドル、ステムなどのコックピット系のパーツにもスパインコンセプトが採用され、フィジーク独自の理論としてより多くのユーザーさんに知れ渡るようになります。
さらに2014年から新たに解析を進めてきたデータをもとに、サドルにかかる荷重と出力の関係に着目することで、サドルの大きさまでも決定する「スパインコンセプト・EVO」へと進化しました。
ではスパインコンセプトEVOに則ったとは具体的なサドル選びを紹介していきましょう。果たして未だお尻が痛いあなたの悩みの解決につながるのでしょうか。
スネーク、ブル、カメレオンで柔軟性を自分の確認
スパインコンセプトEVOはまず、前屈をした状態での柔軟性を3タイプに分けています。
脊椎の柔軟性が高い体
脊椎の柔軟性が高いと、それだけ前傾姿勢が取りやすい状態になります。ロードバイクだけではなく、どんなスポーツにも体が柔らかいことは良い方向に働きますね。柔軟性が高いとハンドルポジションを取った時に骨盤が立った状態を維持することができます。
フィジークではこれら体の柔らかいサイクリストのことをスネーク(ヘビのようにくねくね柔らかいという意)と呼びます。
脊椎の柔軟性が低い体
スネークと対極なタイプがブル(牛)です。体が固く前傾姿勢よりもアップライトなポジションを好んでしまうユーザーさんがそうですね。脊椎の柔軟性が低いとドロップハンドルに手をかけたときに、骨盤が倒れてしまう傾向になります。
脊椎の柔軟性が普通の体
スネークとブルと中間の柔軟性がカメレオンです。ピッタリなネーミングですね。ちなみに私はこのカメレオンに属します。
柔軟性に合わせたアリオネ、アリアンテ、アンタレスのラインナップ
自分の柔軟性が、スネーク、ブル、カメレオンのいずれかがわかった後は、実際にどのサドルが向いているのか見ていきます。
スネーク
スネークタイプの場合は、骨盤がしっかり安定する(骨盤が立つ)ため、よりフラットな座面のサドルがフィットします。フィジークのモデルで言うと「アリオネ」です。アリオネはプロ選手の装着率も非常に高いモデルでフィジークをトップブランドに押し上げた名サドルです。
次にサドルの大きさです。大きさと言うよりかはサドル幅を選ぶ形で、レギュラーとラージの2サイズが展開されています。アリオネシリーズはレギュラーで横の最大幅が130mm、ラージで142mmになります。
その2つのサイズの選び方には専用の公式があるのですが、スパインコンセプトのウェブサイトで自動計算が可能です。
画像のように自分の体重と、平地で平均的に出すことができる巡航速度を入力すると、平均パワーとサドルにかかる荷重とアリオネのレギュラーかラージかのサドルの大きさを割り出してくれます。
ブル
アリアンテは前述のアリオネと異なり、座面がウェーブ状になってるのが特徴です。これは脊椎の柔軟性が低いために骨盤が立たず、倒れてしまうところにウェーブ状の座面がちょうどフィットするようになっている構造です。これにより骨盤が安定します。
横幅のアーチ形状もアリオネよりも強くなっているのも特徴です。サイズは130mmと142mmは同じです。
カメレオン
脊椎の柔軟性が普通であるカメレオンは、アンタレスがおすすめです。サドルの形状はまさにアリオネとアリアンテの中間です。
サドル中心部に穴が開いたオープンサドル
アリオネ、アリアンテ、アンタレスからのレギュラー、ラージと自分に合いそうなサドルを導き出せたでしょうか。さらにフィジークでは各モデルのサドル中心部に穴あけ加工がされたオープンサドルのリリースもしています。オープンサドルの狙いは、尿道部分の圧迫を防ぐためです。
フィジークは中心部に穴をあけたサドルをリリースしてきませんでしたが、近年満を持してオープンサドルもリリースしています。またVERSUSと言われる尿道の位置に穴ではなく溝を作ったシリーズもあります。ライド中、尿道部分に痛みや違和感を感じるユーザさんは、これら2つを試してみると良いかもしれません。
1.アリオネ or アリアンテ or アンタレス
2.レギュラー or ラージ
3.ノーマル or オープン or VERSUS
以上の3つの工程でサドル選びができるわけです。
スマホやタブレットでもスパインコンセプトEVO
冒頭でも少し触れましたが、スマホやタブレットからスパインコンセプトEVOのアプリをダウンロードすることで、PCを使わなくても手軽にサドル選びが可能となっています。
脊椎の柔軟性を測るメジャーもスマートフォンでできます。詳しくはプロサイクリングチームであるチームスカイのメンバーが試している動画をみていただければ、わかりやすいと思います。
それでは。